大判例

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東京高等裁判所 昭和28年(う)1073号 判決

被告人 池上岩夫

〔抄 録〕

弁護人の控訴趣意の論旨第一点について。

原判決が被告人の罪となるべき事実の第一として論旨摘録の通り判示し、これと被告人が昭和二十五年二月十七日東京簡易裁判所において懲役刑の言渡を受け同年三月四日確定した裁判の罪とは、刑法第四十五条後段の併合罪の関係に在るものとして同条を適用し右第一の罪につき量定処断していること、及び被告人の前科調書によると、被告人は既に右確定裁判を経た罪の刑の執行を受け了つていることが認められることいづれも所論の通りである。しかし刑法第四十五条後段の「確定裁判アリタルトキ」とは、数個の独立した罪のうちの或罪について確定裁判があつた事実そのものをいうものであつて、その確定裁判の罪の刑の執行を終了していると否とを問わないものと解すべきであるから、被告人が前記確定裁判を経た罪の刑の執行を既に受け了つているとしても確定裁判を経た罪の存在したことがこれによつて消滅又は否定されるべきものでない以上、同条後段の「確定裁判アリタルトキ」に該当するものといわねばならない。しからば原判決が判示第一の罪と右の確定裁判を経た罪とが同条後段の併合罪の関係に在るものとして同条後段を適用していることは洵に相当であり、原判決には所論のような法令適用の誤りはなく論旨は理由がない。

註 本件破棄理由は事実誤認

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